月が100回沈めば

2.月が100回沈めば

好き度 ★★★☆☆





「普通とは何か」を模索する少年の話。


少し展開が遅く感じた。
中盤はおもしろいけど、最初と最後は少し冗長に思った。
キャラも薄く感じた。







以下、ネタバレ





弓の、アンケートに対するスタンスは素敵だと思った。


「だって、これらの答えは、その場しのぎや思いつきじゃないのよ。自分がいつも感じていたり、真剣に考えたことなの。そうね、いわば16歳の海老沢弓の公式見解。態度表明、マニフェストよ。忘れずに、一生携えて行くべきでしょ。」







Q.普通って、何ですか?
あなたは、自分自身を普通だと思いますか?
普通でいたいですか?
それとも普通は嫌ですか?






僕も弓と同様に、普通は自分の中に見いだす物で、
全体の中における数が多ければ普通、ではないと思う。


髪を赤くしたって、
世界一周したって、
歌でニューヨークに留学したって、
AKBにいたって、

それが完了したときに本人は自分を「普通じゃない」と認めるのだろうか。
やってみなければわからないことも多くても、やってみればこんなもんか、と思うだろう。

普通じゃないと判断するのは周りの人間。
「おれ、ちょっと普通じゃないんすよ」ってやつは、いたって普通。
ちょっと珍しいことをしてるとか、珍しい存在であるとか、その程度。


その根拠は目に見えないものを普通とするからだと思う。



だから、全員が普通である以上、普通じゃない存在になることなんてできなくて、

生きて行く際の目指す姿として「個性的である」とか、「普通じゃない」を挙げるのは不適当。
そんな人が増えてる今は、『個性的であろうとすることが、普通』ですらある。

じゃあなんのために、というともはや、自分の個性をみつめて、何に価値を見いだすのかに従うしかないと思う。