『蒲公英草紙』

1.蒲公英草紙
評価 4

優しい本だった。

本当にたんぽぽのようなあたたかくて、品が良い文体で記されていた。
怖い人も意地悪な子もいるけど、村全体を流れる雰囲気は優しかった。

と思って穏やかな気持ちで読み進めてたのに、最後の「運命」の章はいっきに読んでしまった。
それでも村の人たちはあたたかかった。

最後の終わり方が面白かった。けどそれも日記だからこそで、不思議と絶望はなかった。


誰かのためでも、自分のためでもなく、「村のために」「国のために」
生きる人々は幸せそうだった。

幸せをや満足感を求めるかぎり、他者の存在は切り離せないように思った。