惡の華


泊まりに行った友人の家にあったので一気読みした。


惡の華(1) (少年マガジンKC)

惡の華(1) (少年マガジンKC)


・概要
ボードレールを愛読する中学生が主人公。思春期をこじらせた旧友たちとの交友、恋愛について。
帯にある作者の言葉を引用する。まさにそんなマンガ。




この漫画を、今、思春期に苛まれているすべての少年少女、かつて思春期に苛まれたすべてのかつての少年少女に捧げます。




・感想
思春期特有のいわゆる「中二病」が鮮やかに表現されていて、結構好き。11巻までいっきに読んだ。
読んでいて、梶井基次郎の「檸檬」と、ポール・グレアムの「ハッカーと画家」を思い出した。

檸檬に関しては、登場人物の日常に対する反発が共通しているように思う。なんの変哲もない淡々とした日常に対して異常性を感じることがあり、それになんとか一石を投じようとするのは、決してわからないでもない。これは一部の人だけが感じるというよりは、すべての人がその感受性の要素のようなものを持ち、人によって心の中に占めるウェイトが異なるのではないかと思う。

ハッカーと画家に関しては、(まだ読んでいる途中なのだが)、思春期の子供の視野の狭さに言及されているところが共通している。ハッカーと画家の作者は確かそれを学校というシステムの弊害として説明していた。
子供にとっては学校こそが世界の全てで、スクールカーストにおける順位のみが人間の価値だとみなされることが多い。そのために、そこに適応できなかった生徒、何が問題かははっきりとはわからなくとも抜け出したいと思う生徒、適応しながらも違和感を覚える生徒たちが、いわゆる「思春期(反抗期)特有の問題行動」を起こすと考えられている。
生きづらいだろうな、とも思う。けど解決すべきか?と考えるとはっきりとはわからない。大人になったからだろうか。


檸檬

檸檬

ハッカーと画家 コンピュータ時代の創造者たち

ハッカーと画家 コンピュータ時代の創造者たち