英語学習法について、3冊

1冊目

英語で学べば英語はできる―“和訳で遠回りしない"英語習得の絶対ルール!

英語で学べば英語はできる―“和訳で遠回りしない

英語で学べば英語はできる―“和訳で遠回りしない"英語習得の絶対ルール!



想像以上に中身が濃かった。読む前は単に「英語は戻り読みしない!」「英英辞典を使いましょう!」みたいにどこかで聞いたことあることが整理されてるだけかな、と思ったんだけど、もっとよく練られていて、包括的な英語学習についての本だった。

本書の前提として「自分に必要なレベルまで英語力をあげる」ってのがあって、誰もが同時通訳者になれる必要はない。

読者の英語レベルに沿って、どんな教材をどの程度やれば次のステップに進めるか、その次のレベルでは何をするか、ということを、幼児レベルから通訳者レベルまで網羅されている。また、ビジネスで必要な人とアカデミックで必要な人のそれぞれの学ぶべき英語の違いも言及されていて、筆者が真摯に実用的な英語学習本を出そうとしたことがうかがえる。
自分の環境に合わせて流し読みするだけでもいいかと。

また、8000だか10000だかの語彙数を超え、「英語で何かの分野を学び始める」と、それ以降の語彙力はいっきに上がるときいてちょっとほっとした。日本語で英語を勉強するのが、時間と実力について比例的な伸び方をするのなら、英語で英語を勉強するのは指数関数的な伸びとなるのではないか。



2冊目

「達人」の英語学習法―データが語る効果的な外国語習得法とは

「達人」の英語学習法―データが語る効果的な外国語習得法とは

「達人」の英語学習法―データが語る効果的な外国語習得法とは


英語学習に成功した人たちを「達人」と定義し、彼らの口コミという定性的なデータをまとめて英語学習のエッセンスを抽出しようとする試み。


ほとんどためにならなかった。その理由は以下。
・データが語ると名打つだけあって、データは多いが、分析が稚拙。むりやり結論をこじつけているような印象を受ける。またデータを引用したのに仮説すら立てずに「はっきりとはしない」って濁し方してるのもちょっとどうかなって感じ。
・学習の方法論もすでに知っていることが多い。
・浅く広くで、俯瞰するぶんにはともかく、実用的なものはない。

一応”研究”のような体裁は取っているが、サンプルの少なさや定量的データに換算していない、サンプルの属性に言及していないというアラが目立つ。


・良かった点

”英語における1日の休息は、1週間の後退に価する”という言葉はモチベーションアップに寄与する。また、スランプへの対処、英語が目的化していることについての章はなるほどと思う部分があった。




3冊目

成功する英語勉強法―あなたの努力をカタチにする!

2冊目に比べて圧倒的に読みやすかった。もちろん知っていることも多いが、なるほどと思う部分も。
語彙に多読が必須なこと、多聴と精聴どちらもいることなど。

2冊目との違いは論調とか、ネームバリューとかからくる説得力かなーー知ってる情報が多いっていう点ではどちらも一緒だけど・・筆者が留学しないで英語をある程度マスターしてっていう環境が自分とかぶるのも、ポジティブに読み進められた一因かも。

となるとやはり、知識を習得する上ではネガティブな見方をしていてはいけない気がする。ふらっとに受け入れた方が、すっと腑に落ちる気がする。