読書の技法

・概要
元外務官の筆者が、本人の読書の技法を紹介する。
「どう読むか」「何を読むか」「いつどこで読むか」のわかりやすい3章で構成されていて、ハードだが正攻法ともいうべき読書の技法に触れることができる。超入門とうたっているが、ほとんどの人には真似できないくらい、ハード。



読書の技法

読書の技法

・感想

筆者のこれまでの知的活動の膨大さと、読者への愛が感じられ、内容は深く濃く実用的。がしかし、表紙がダサい。本人が出てきてしまってる。内容がお固めの本は特に、表紙に本人が出てきてしまってはいけない・・・表紙で損してる。

読書の技法の合間に、教養と常識に関する筆者の考えや、ビジネスパーソンに対する示唆が現れ、対話しているような面白さを感じながら読むことができる。


ex)p90 より抜粋


もちろん雑誌だからといって、読者は書店で、必要部分だけを携帯電話のカメラで撮影するなどという著作権侵害はしないことだ。出世するということは、資本主義社会のルールに従ってゲームに勝ち抜いていくことである。書店や出版社、著者の商売を侵害する盗撮の習慣などが身につくと、将来、もっと大きなルール違反をして、結果として出世街道から外れることになるだろう。







あと冒頭でいきなり「猫の尻尾を踏んではいけないので椅子は固定の物をつかってる」みたいなことも書いてあって少しほっこりする。たぶんだけど、めちゃくちゃ頭がよくて、まじめで、天然っぽいおじさんだと思う。



・前半
民族問題を例にとって、「新しい知識を身につけるための読書の手法」を紹介している。ハードだが、確かにこの技術が「一生ものの知識を身につけるための最短ルート」だろうと思った。哲学や神学や、物理や科学や、自分がほとんど馴染んだことのない分野でいきなり「難解な書籍」に挑戦することは無駄だろうと思った。



後半
、あとで読もうと思って、バタバタして読めなかった。

内容としては、前半で未知の知識の概要をつかんだ後に、広く、深めていくための速読の方法みたいな。働き始めて、業界なり技術なりの知識を素早くキャッチアップする必要が出てきたら、もう一度読み直してみたいと思う。