キリスト教について2+α冊

先日から気になっているキリスト教について。

宗教は教養として知っておきたいと思ってたけど、
その中でもキリスト教を知ったら

・欧米人の常識に少しだけ触れられる
・宗教建築や絵画がおもしろくなる

のではないかという期待から。


1.世界最大の宗教キリスト教

世界最大の宗教 キリスト教 (別冊宝島 2176)

世界最大の宗教 キリスト教 (別冊宝島 2176)

建築の写真、絵画がたくさんあって面白い。
文字もそれなりにあって、体系的に説明しようとはしているが、どうしても紙面不足。
それとおそらく、編集者の知識不足。

本業の方が書いた以下の本を読んだあと(もしくは読みながら)参照するには便利。

フィレンツェのドゥオーモとか、どんなのか気になってた写真も見れてよかった。
ラファエッロの描く聖母子が見たかったけど、見当たらなかった。

他の本でラファエッロのマリアとか見たけど、ミケランジェロダヴィンチよりもいちばんマリアマリアしてて好き。
3年以内に旅行でヨーロッパいって、本物を見たい。





2.キリスト教のことが面白いほどわかる本

キリスト教のことが面白いほどわかる本

キリスト教のことが面白いほどわかる本

これはかなりわかりやすい。
羊のしーくんと教授の対話形式で論が展開される。
羊のしーくんは教授の言葉を繰り返して「○○って?」とか「えぇ〜!」とか「そうなんだぁ」とかしか言わないことが多くてぶん殴りたくなるけど、内容はすごくわかりやすい。

・宗教の効果はなにか。
・なぜ宗教は広まったか。
キリスト教の歴史。
キリスト教の各宗派の違い。

といったことが、断片的にではなく、流れとして理解できる。
「神のいる無限世界があって、その中に天使のいる天国があって、その中に宇宙があって、その中に地球がある」みたいなキリスト教的な世界の捉え方についても知らなかったので、おもしろい。

時間の関係で6割のとこくらいまでしか読めなかったけど、ぜひまた見つけて最後まで読みたい。



3.宗教リテラシー: アメリカを理解する上で知っておきたい宗教的教養

宗教リテラシー: アメリカを理解する上で知っておきたい宗教的教養

宗教リテラシー: アメリカを理解する上で知っておきたい宗教的教養

こらは少ししか読んでないけど、意外とアメリカ人が信仰は深くても宗教知識に乏しいというのが面白かった。
新約聖書福音書が一つも出てこないキリスト教がいるのか、と。
全体を通して「なぜ宗教リテラシーが落ちたのか」といった話はしているが、本当に知りたいのは
「知っておくべき宗教リテラシー」の内容そのもので、
そこは後半に辞書的に言及されているが読みにくい。




4.世界は宗教とこうしてつきあっている―社会人の宗教リテラシー入門

世界は宗教とこうしてつきあっている―社会人の宗教リテラシー入門

世界は宗教とこうしてつきあっている―社会人の宗教リテラシー入門

これは宗教別ではなく、国別に宗教とどう関わっているかについて語られている。
「もし職場に○○人がはいってきたら」といった場合に即効性はある。
Q&Aのクイズ形式で宗教差別化どうか考えていく際は、自分が間違えまくるので焦る。
が、そのクイズの配置はあまり必然性がなく、ばらばらな印象。
必要なタイミングで紐解けばよいかと。

掃除について3冊

こんまり、ゆるりまいさんと続いて、さらに掃除のことが知りたくなったため。
忙しくなったときに綺麗な家を保てるかという観点から、図書館で適当にチョイスしたやつを読みました。



1.ズボラ式こそうじ術

ズボラ式こそうじ術

ズボラ式こそうじ術

良書。マンガなので読みやすい。

筆者が本当にズボラなので、「この人でもできるなら自分でも・・」と思う。
内容については特に真新しいこともなく、
こんまりさんのように「物の定位置を決める」ことの重要性が最初にある。
これに関しては自分の経験からもすごく効果的に思う。

後半は掃除のタイミングや、モチベーションについて。
筆者は
「気づいたときにすぐできる位置に掃除道具を置く」
「CMの間など隙間の時間で掃除する」
といったことを述べているが、これは向き不向きがあるかと。

(自分の場合は掃除道具を目に見える位置に起きたくないし、そもそもあまり多くの掃除道具を持ちたくない・・)

これについては他の人のやり方も探してみて、自分でやってみて試していくしかない。





2.なんにもない部屋の暮らしかた

なんにもない部屋の暮らしかた

なんにもない部屋の暮らしかた

ゆるりさんの別の本。
コミックエッセイ「わたしのウチには、なんにもない」に比べると、
体系的で実用寄り(といっても中身はほとんど重複する)

この人のレベルは即取り入れるのは難しいかもしれないけれど、
一つの頂点として確認すると方向性が見えたりするので、良い。




3.「キレイなキッチン!」のコツ

「キレイなキッチン!」のコツ―そうじの超カリスマが書いた

「キレイなキッチン!」のコツ―そうじの超カリスマが書いた

掃除が好きなおばさんが自分のキッチンがいかに綺麗で、自分がいかに家事も仕事もこなしているかを話す途中で、自分が見つけた掃除のコツを教えてくれる本。

「読者が知りたいこと、読者に伝えるべきこと」よりも「自分が書きたいこと」を優先している点で、読んでてイライラするが、表紙のおばさんの微笑みを見ると「おばさんという生き物は大体こういうもんだよな・・」と思ってかえってすがすがしくなってくる。

自分は図書館で適当に手にとって読んだからいいものの、購入してしまった人はいったい何の罪で、お金を払った書籍から、見ず知らずのおばさんの趣味で作ったお皿の話を聞かされないといけないんだろう・・と思った。

ちなみに比較的実践的な内容も、普通の人には当てはまらない。
使うたびにシンクの水を吹き上げたり、まないたやスポンジを熱湯で消毒したり・・・
普通の掃除本が「掃除をサボるからまとめてやるのがしんどいんです!こまめにやりましょう!」って論調で、自分もそれには同意するんだけど、この筆者並みにこまめにやってたらおそらくまとめてやる方がまだまし。あとここまで潔癖を目指す必然性もない。

現実に知り合ってたら絶対に話を聞きたくないし、絶対にこの人の家に遊びに行きたくない。

本は読み飛ばせるから良い媒体だなぁと思う。



4.きちんとヨゴレをとってからの気持ちのいい整理術

きちんとヨゴレをとってからの気持ちのいい整理術

きちんとヨゴレをとってからの気持ちのいい整理術

3と大体同じ印象。内容は忘れたけど、少なくとも今の自分にとっては忘れていい内容だったということは覚えてる。

必要十分生活

ものを減らした生活に関連して。

必要十分生活~少ないモノで気分爽快に生きるコツ~

必要十分生活~少ないモノで気分爽快に生きるコツ~

ものを減らしたい人にはかなり有用な本。
「ここまで減らせるのか・・」って意味では、なんにもない部屋のゆるりさんと同じ匂いを感じる。

最初の方の、リビングにぽつんと小物入れが置いてある写真は、完全に修行僧。
「自分はここまでじゃなくていいな・・」て思った。


・バスタオルはいらない

「普通のタオルで体全部ふけるよ」、って話。たぶん、できる気はする。けど、お客さんくることもあるから、ちょっとだけストックしとこうかと思う。


・毎日使う部分は毎日掃除する

排水溝も洗面台も、汚れをためるから「掃除」になる。
毎日洗ってる排水溝はネバネバなんてしないらしい。後始末感覚でできたらいいなーと思う。


・掃除機はいらない

この人は掃除機よりクイックルワイパー派とのこと。自分は前の家では
クイックルワイパー + 安物のルンバの偽物」だったけど、ルンバの偽物は知り合いにあげてしまったので、掃除機買おうかなて思ってた。けど、しばらくはクイックルワイパーだけでやってみようかなぁ・・

特にベッドの下は掃除機は自信がなかったので、クイックルワイパーの方が都合がいいかもしれない。






・自分のやりかた

何冊も読んでみて理解せざるを得なくなったことなんだけど、「誰かがうまくいったやり方が、自分でもうまくいくわけではない」ってのを実感してる。考えてみたら当然のことで、価値観も環境も違うから、ある人が成功してても自分ではここまでできないってのが十分ある。

けどこれは読者の特権で、組み合わせることができる。

キッチン周りの調理器具の扱いはゆるりまいさん(私の部屋にはなんにもない)を参考に、お風呂とトイレはたっくさんを参考に、ものの配置と管理はこんまりさん(人生がときめく片付けの魔法)を参考に・・といった感じで。


そんで、自分に一番合った、自分が一番満足できるやり方を見つけようと思う。

小説家という仕事


物理学の教授をやりながら「すべてはFになる」とか「スカイクロラ」とかヒット作を出し続けている森博嗣さんが、どんな経緯で小説を書くようになったかを知りたくて。


小説家という職業 (集英社新書)

小説家という職業 (集英社新書)


目からウロコというか、これまで自分が持っていた「小説家」のイメージが覆された。もっともこれは筆者に限った話かもしれないが。



そもそも小説を読むたびに、「小説家という人たちはなんでこんなにいろんな言葉を知っていて、いろんな音楽、絵画、建築のことを知っているのだろう」と思っていた。そして「おそらくそれだけいろんな小説を読み、言葉を学び、音楽を聴いているのだろう」と。

それに対して森博嗣氏は「小説家になりたいなら小説を読むな」と一蹴する。「他の人の小説を読めば、その人のスタイルの模倣を始めてしまう」と。確かに、優れた言葉選びや優れた表現に憧れるならば、意識せざるとしまいと自分の作品に取り込むことになるだろう。



そのほかも、彼の語る「小説家かくありき」といった持論は、おそらく普通の小説家や編集者、出版に関わるものからしたら異質かもしれないが、ロジカルで、納得感があった。少なくとも自分には、なじみやすかった。



・アウトプット

筆者は、読書や観察でいろいろなことを取り込んだら、それを吐き出すかのように小説を書いていると言っていた。この点にはなるほどと思った。自分の場合も、本を読んだり何かを考えたりしたことについては、ノートやブログに書き留めないとモヤモヤすることがある。忘れてしまいそうな不安感や、気になって他のことに集中できないというストレスになる。

インプットし続けたら満腹になり、アウトプットし続けたら空腹になる。

多く情報を取り入れ、大きく変換し、多くの情報を出す、といった新陳代謝が、健康的なように感じられる。

発音について2冊。

英語を練習するほど、発音が気になるようになる。



カタカナ英語の処方箋

脱カタカナ英語の処方箋 通じる英語の発音とリズム (CDブック)

脱カタカナ英語の処方箋 通じる英語の発音とリズム (CDブック)


とっつきやすい。おばさんが苦手なので表紙のおばさんに少し引く。
語ずつの解説が前半にあるが、後半の単語ごと、フレーズごと、文章ごとの発音の部分の方が今の自分にはためになった。音はどうやってくっつくか、また、どうやって消失するか、文中のアクセントは、音の高さは、など。

全体として説明は多くなく、深くもないが、発音の基礎知識を一通り確認する意味で通読するのに良い。




日本人のための英語発音完全教本

DVD&CD付 日本人のための英語発音完全教本

DVD&CD付 日本人のための英語発音完全教本

非常に詳しく、しっかりとした研究の成果が表れている印象。

英語と日本語は発音の仕方が全く違うため、使う筋肉も違い、それゆえ「学べばできる」のではなく「トレーニングすることでできるような体になる」といった理論には共感。というか、多くの発音教本で同じことが書いてある。

それに対応するために、発声練習のような章があるが・・これは少し眉唾。あるいは非常に効果的かもしれないが、時間対効果としては微妙な気がする。それよりは音読や、意識した上でスピーキングの機会を増やす方が自然では。

個々の音の説明も、オールカラーで非常に詳しい。詳しすぎて理解できないところもある。(息を吸いながら吐く????)
呼吸の流れ、横隔膜の感覚、したの一、唇と歯の感覚など、「慣れ」ではなく「理論」として学べるのは、成熟した英語学習者には相性がいいかもしれない。




・基礎単語の発音

英語に触れる機会が増え、最近気になるのが「中学生でもわかる単語の正式な発音」である。
簡略化のためカタカナで示すが、
don’tは「ドンt」か「ドーンt」か「ドウンt」か
notは「ノッt」か「ナッt」か
coldは「コールd」か「コゥルd」か

など、主に母音について、a i u e oでしか区別していなかったのが、今更ながら悔やまれる。
これについてはもう一度発音を学び直してもいいかもしれない。
具体的な数はしっかり覚えていないが、英語は1500語が全体の90%をカバーしているとかいう話もある。(実感としては、カバーしているのは確かだが、a,the,my,などがほとんどのため、本当に重要な単語は残りの10%に集中していて、カバーできこそすれ90%を理解できるわけではない)

その限られた語彙の発音だけでも、正しい母音、子音で復習すれば、スピーキングがより自然になるのではないか、と思う。

睡眠について3冊

図解雑学睡眠の仕組み

図解雑学 睡眠のしくみ (図解雑学シリーズ)

図解雑学 睡眠のしくみ (図解雑学シリーズ)

あまり面白くない。
確かに図解でサクサク読めるが、実用的なことに関しては常識的なことが多く、専門的なところは知る必要がない。(正確な分泌ホルモンの名前など)
まさに「図解雑学」であり、実用書であるにもかかわらず「誰にどのような知識を提示し、どんな便益を提供するつもりか」が見えてこない。





ヒトはなぜ人生の3分の1も眠るのか?

ヒトはなぜ人生の3分の1も眠るのか?

ヒトはなぜ人生の3分の1も眠るのか?

非常に面白い。睡眠科学の父とも呼ばれる筆者が書いた「the promise of sleep(曖昧)」が原題の本の翻訳書。
「われわれはこれをレム睡眠と名付けた」みたいな記述があって、「えっ」と思ってWikipedia見てみたら、確かに彼が学んでいた教授と、彼がアシスタントしていた先輩研究員がレム睡眠の発見者とされていて、驚いた。研究の大家なんだ、と。

現存する「医師の観察状況下における断眠最長記録」の「医師」が筆者だというのもおもしろいし、とあるDJの不眠チャレンジにもリアルタイムで観に行っていて、そのストーリーは臨場感がある。データではなく、物語として話してくれるから面白い。

その上で、よりよい睡眠のためには、何が睡眠にとって大切か、といったいわば「睡眠学」の基礎を一通り学ぶことができる。おそらく現存する限りではこれがもっともスタンダードな学説で、常識とされているものだと思うので、睡眠に興味があれば一読して損はない。

研究内容や発表論文は結構古いようだが、出版は最近なので文体も読みやすくてよい。「難しい内容を簡単な言葉で」という意味において、非常に良質な入門書。





睡眠革命
われわれは眠りすぎていないか

睡眠革命―われわれは眠りすぎていないか (自然誌選書)

睡眠革命―われわれは眠りすぎていないか (自然誌選書)


出版は上記のものより古いが、研究は上記のあとのよう。
「睡眠は人体の回復と維持に必要不可欠である」という常識に真っ向から反対する姿勢がおもしろい。しかもまったくの暴論、精神論でもなく、むしろデータに基づくまっとうな「仮説」であることが興味深い。

前書きでもあとがきでも繰り返し述べているが
「これまでの常識を覆すような研究は、刺激的だが、人々を説得するのが大変」とあり、自分の研究方針が異端であることは自覚されているようで、その上で「常識を鵜呑みにしないで疑ってみることの有用性」を投げかけている。

睡眠研究に限らず、この姿勢は研究者として尊敬するし、このようにあるべきだと思う。


同意するかは別として、常識的な睡眠の捉え方に反論する姿勢として、ちらっと読んでみてもよい。
感想としては、前半が定性的なデータや、特殊な事例を扱っているため眉唾であり、後半の論証による反論の方が(いささか飛躍がある論理も見られるが) おもしろい。しっかりと読んでないが、一般書というよりは論文よりの体裁のため、細かい知識などについては短時間では読めない部分もある。

ぼくらのサイテーの夏

先日読んだ「楽園の作り方」と同作者の児童文学小説。
小6の男の子が少し成長する話。

ぼくらのサイテーの夏 (講談社文庫)

ぼくらのサイテーの夏 (講談社文庫)

分量は少なく、一瞬で読めた。さわやかで、軽快で、読後感も良い。

が、一方で児童文学だけに、物足りなさはある。
文字数が少ないからかな?と思ったけど、俳句や詩には無限に広がる深遠が感じられるため、文字数ではなく内容に起因するように思う。子供向けにしてあるから、物事も心情も会話も単調である。特に数日前に読み終えたのが江國香織の「冷静と情熱の間」だったから、余計に、というのはある。

もっと胸をえぐられたり、衝撃を受けたりなどしたい。こうして活字やら映画やらイベントやらに刺激を求める中毒者ができるのでは・・と思った。少しの刺激で満足することは、小さな幸せに満足することと似ていて、それはそれで幸福なのかもしれないけど、でも自分がそうなりたいのか、と考えたらうーん・・って感じです。


でもちょっと考えてみたら、「子供向けの小説がイージーすぎる!」って憂う必要もなく、社会には(わかりやすく限定していうと図書館には)もっと難しくて、重くて深くて、わからないことがそれこそ腐るほどあるので、心配いらないな、と思った。

ツァラトゥストラは「私は知識を得すぎた。ミツを集めるミツバチのように。だからそろそろこれを人間たちに与えるのだ」みたいなことを語ってたけど、自分の脳みそではここまで知ることはできないだろうし、飽和状態になるくらい知ったとしても、組み合わせたり、創造することも楽しそうなので、ぜんぜん大丈夫だ。



それよりもあと3週間後には社畜人生始まってるから大丈夫だ。大丈夫・・・